就任のご挨拶謹啓 盛夏の候 皆様に於かれましてはますますご清栄のこととお慶び申し上げます 平素は格別のご高配を賜り衷心より御礼申し上げます さてこの度、令和六年一月三十一日開催の株式会社紀伊國屋書店の臨時株主総会ならびに臨時取締役会におきまして、事業承継で傘下入りした株式会社日本カタロゴスの代表取締役社長に藤戸克己が選任されまして、二月一日から就任し着任しております。取締役に藤則幸男と田原誠子が就き、小竹裕人が監査役に就任の新体制となりました。 出版・書店・図書館業界において、株式会社日本カタロゴスの事業内容は図書館収蔵 の各資料の目録データ作成と装備等の図書館を支えるバックヤード業務支援、並びに書店と図書館をつなぐディストリビューション・プロセッシング業務と位置付ける事が出来ます。図書館業界については資料そのものの電子化はコロナ禍を契機に大きく進展致しました。当社がその作成にノウハウを蓄積し研鑽を重ねて参りました目録データ作製については、メタデータの広い枠組みの中に位置づけて良いものと考えております。当社におきましても、電子化の時代に即したメタデータへの対応や書店と連携した図書館の支援推進など、これまでの蓄積を生かした新しい取り組みにも、積極的にチャレンジして行く所存です。 引続きまして何卒一層のご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。皆様の益々のご多幸とご健康を祈念申し上げ、ご挨拶を申し上げます。 謹白 退任のご挨拶
謹啓 甚暑のみぎり、皆様に於かれましては愈々ご清祥のこととお慶び申し上げます。
弊社は平成十三年(2001年)十二月二十八日に千代田区神田錦町の現在地での創業から歳月を重ね、おかげさまで第二十三期を越えはや第二十四期を迎え一同が鋭意専心で取り組んでおります。 重ねた歳月は経営者も老境を覚えるに及び思案を深め、式会社紀伊國屋書店様に事業 のご承継を願い後事を託すことが最善との経営判断に至り野田と野田会長、下條取締役、平原監査役で臨時株主総会を催し一月三十一日付の退任を決め、株式会社紀伊國屋書店様に二月一日付で事業ご承継戴いており、順調なスタートで業務に邁進しております。 ホームページに更新もしないまま忙殺された来し方を顧みますと汗顔でございますがご懇切なご指導ご高配を賜り、折々のお力添えの数々が去来し茲にあらためまして深甚なる感謝の念を以て厚く御礼申し上げる次第でございます。 企業理念として「良質な資料整理を心がける」「適切な業務を成しうる人材育成に努める」を掲げ、古今東西の和洋書・中韓書・和漢古書・AV等多岐資料の「書誌目録データ作成及装備」の質実を伴う高品質管理を励行し、お得意先様、エンドユーザー各大学様に実用としてお役に立つことを願い日々微力ながら小企業の経営に渾身で努めてまいりました。 資料整理業務は奥が深く、未だ途上も途上ではありますが、創業から程なく会長の野田 が目録作成に際し強く指導したことは日本・英米目録規則、NCコーディングマニュアル等のルールのあるものはルールに基づくことが大前提との当然の考え方の徹底でした。 目録作成の骨格は資料認識力であり各ルールと館固有の仕様を踏まえ、利用しやすい的確な記述力(語学力含)と丁寧な装備等の対応にあるかと、日常業務を重ね修得した各技術はお得意先様から、時に高いご評価を戴くこともあり、更に磨きをかけスキルアップし激変の時代を直視しAI等の高度な情報技術機能を駆使し、お得意先各大学様に実用としてお役に立つ存在たれとの切なる願いがご承継への判断の礎石でございます。 創業以前を顧みますと、20代の若き頃に図書整理の仕事をしたいと願い、官の方に希望を伝えたところ、駿河台の日販を紹介されご縁を得て日販取引の横浜有隣堂様、大宮押田謙文堂様、市川の大橋書店様等々の地域大手書店様お取引の小中学校図書館の図書整理需要がひきも切らずで上司と同僚と日々嬉々として児童書整理に邁進し、折からの社会資本整備が急務との国家的気運に呼応するかの活気と躍動感の溢れる時代でした。 その後は都立中央図書館、日比谷図書館、浦安図書館様ほか公共図書館業務に努め、次に高等教育の深化拡充が国の命運との時代の要請を受け紀伊國屋書店様、丸善様が獅子奮迅で取り組まれ情報機能の飛躍的な発展と相俟って情報網羅の現在への道筋だったかと振り返っております。 一方、世の中は安保闘争で騒然の荒れ模様で、お茶の水、駿河台、ニコライ堂からの坂道の敷石が全学連の投石を危惧してアスファルト舗装になるなど昔日が思いおこされます。 五十年を超える長き職業人生に出会った官民の優秀な皆様方からの直面する保存と利用 への適切な資料整理の課題や真摯なお考えを拝聴して、微力を傾注して必要性・ニーズに基づくご要望とご指導にお応えしてお役に立たねばと、能力不足を補う気力を奮い起こして必死で取組んだ日々が懐かしく思いおこされます。 資料整理の現場から退くにあたり、長きに亙り微力者に温かいご指導とご厚誼賜りました皆様にあらためまして厚く御礼申し上げる次第でございます。 末筆ながら皆様の益々のご多幸とご健康、ご活躍を祈念申し上げまして退任のご挨拶を 申し上げる次第でございます。 謹白 |